借金がある場合の相続放棄の注意点に関するQ&A
- Q亡くなった方に借金があり相続放棄をする予定ですが、注意点はありますか?
- Q借金だけを放棄することはできないのでしょうか?
- Q借金があるか不明で相続放棄すべきか分からない場合、どうしたらよいですか?
- Q相続放棄をした後の手続きはありますか?
借金がある場合の相続放棄の注意点に関するQ&A
Q亡くなった方に借金があり相続放棄をする予定ですが、注意点はありますか?
A
亡くなった方の預金を引き出したり、亡くなった方の財産で借金を支払ったりしてはいけません。
このような行為をすると、相続をする意思があるとみなされてしまい、相続放棄をすることができなくなってしまいます。
この他にも、相続をする意思があるとみなされる行為は数多くあります。
亡くなった方に借金があり、相続放棄をお考えの方はまず弁護士にご相談ください。
Q借金だけを放棄することはできないのでしょうか?
A
相続放棄をすると、すべての財産を受け継がないということになります。
相続財産にはプラスの財産もマイナスの財産も含まれており、借金など、一部の財産だけを放棄することはできません。
例えば、亡くなった方名義の不動産があり、預金が無く、借金がある場合に相続放棄をしてしまうと、不動産を相続することもできなくなってしまいます。
相続放棄をすべきか否か判断に迷う場合も、弁護士にご相談ください。
Q借金があるか不明で相続放棄すべきか分からない場合、どうしたらよいですか?
A
個人信用情報の開示請求をすることで、金融機関、クレジットカード会社、消費者金融等からの借金の有無や残額を調べることができます。
①消費者金融に関する信用情報は、株式会社日本信用情報機構(JICC)から取得します。
②クレジットカードに関する信用情報は株式会社シー・アイ・シー(CIC)から取得が可能です。
③銀行からの信用情報は一般社団法人全国銀行協会(全銀協)から取得できます。
また、借金についての資料は、通常は亡くなられた方のご自宅に保管されていますので、まずはご自宅をしっかりと調べましょう。
探すのは、通帳や借用書です。
特に個人からの借り入れは、上述した信用情報機関に開示請求をしても情報を取得できないため、注意が必要です。
Q相続放棄をした後の手続きはありますか?
A
相続放棄が完了すると、裁判所から相続放棄申述受理通知書という書類が届きます。
通常はこの相続放棄申述受理通知書のコピーを提出することで、債権者からの請求は止まります。
金融機関によっては、相続放棄証明書の原本の提出を求められることがあります。
1通150円で家庭裁判所から取得ができる証明書のことですので、裁判所に発行依頼をして取得をし、金融機関に送付してください。